刻み大工のひとりごと

富山県射水市の建築大工です。 元請大工として日々思うことをつづっていきます。

墨つけ道具を考える その2

 

今は使っていない墨壷、墨さし

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現代大工としては、使いづらすぎます。 

まず墨サシですが、細い線を描き続ける耐久性がありません。

先端の減りが早い

線の太さにばらつきがでたりで、微調整必要

加工寸法精度に影響があるので、

速さと正確・効率を求められる現代では、非常に使いづらいのです。

それと手が墨だらけで汚れます(笑)。

墨壷に関しては、持ちにくい・巻取りが面倒など

なのでこちら

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竹製に比べて確かに細く長く引けました。しかし、

毎回使用後水洗い、不用意に落したりすると

銅製の先が曲がります、砥石で修正

たまに先端部材ごと抜けます。長く使うとよく抜けた。

 

なので現在はこれ

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ボールペンです。ゲルインク0.4~0.7ぐらい使い分けます。

マッジクペン 自動巻取り墨壷 

伝統を重んじる大工さんに怒られそうですが、

現時点でこれが最高に使いやすい。手も汚れません。

現代大工ですから、使いやすい物をどんどん使用します。

 

実際に比べてみると

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下の線がカーペンター隅サシ

上の線がゲルインク0.4 

ゲルインクの方が細く安定しています。

これが加工精度にも影響しますから

墨サシを使うと写真のようにさし金が汚れるので

いつもふき取らなければなりません。

やっぱりゲルインクボールペン使うでしょ

後は墨壷 これも現代大工風に改良しました。

続く